卵は、コレステロール値が高い。だから、卵を食べ過ぎるとコレステロールが貯まる。
こんな風に思っている人って、多いんじゃないでしょうか。
確かに卵は、他の食品に比べてコレステロールがたくさん含まれています。しかし、研究が進むにつれ、卵をたくさん食べてもコレステロール値が上がらない人がいることも確認されています。
コレステロールが上る人と、上がらない人の違い
実は、食事でとるコレステロールに対する「感受性」は、個人によって開きがあります。
感受性の強い人は「反応型」といって、コレステロール値が上がりやすい人です。ある研究によると、35%の人が感受性の強い人です。
ということは、残りの65%は、感受性が低いタイプ(非反応型)ということで、高コレステロール食品を食べても、それほどコレステロール値が上がりません。
卵を食べると、コレステロールが上がるというのは、感受性の強い反応型の人で、65%の人は、卵を食べることに神経質になる必要は無いということです。
反応型か、非反応型は、個人によって違いますし、体質や生活習慣を改善しても変わることがありませんので、医師に相談するのが良いでしょう。
卵には、悪玉コレステロールを減らす効果もある
卵には、レシチンや不飽和脂肪酸が豊富に含まれています。
これは、悪玉コレステロールを減らし、善玉コレステロールを増やす効果があると言われています。
毎日3個の卵黄を2〜4週間食べ続けたところ、善玉コレステロールが増えた人が4割以上もいたという研究報告もあります。
もちろんこれは、コレステロールの感受性が低い「非反応型」の人が対象なので、注意が必要ですが。
卵が持つアルコール分解能力にも注目
卵には、アルコールの吸収分解を助ける働きもあります。
体内に吸収されたアルコールは肝臓で分解され、体外に排出されます。しかし、飲み過ぎると肝臓で処理しきれず、それが中性脂肪として蓄積されます。
卵には、メチオニンという物質が多く含まれていますが、これがアルコールの吸収分解を助けてくれます。
メチオニンは、肝臓にも蓄えられている必須アミノ酸のひとつで、二日酔いの薬にも入っているほど、効果が認められています。その他、ビタミンB1やビタミンB2も豊富です。
卵は健康に良い、手軽な健康食品だ
善玉コレステロールを増やし、良質のタンパク質、ビタミン類、メチオニンなどが含まれている卵は、コレステロールが貯まる悪い食品ではなく、むしろ血管を若返らせ、肝臓の働きを助けてくれる食品です。
もちろん食べ過ぎはダメですが、食事にバランスよく取り入れることで、卵は安価で健康に良い食品と言えるでしょう。