国立がん研究センターなどは、乳がんなど13種類のがんを、たった1回の採血で発見できる診断システム開発に着手したと発表しました。
血液中の物質「マイクロRNA」が、がんになると量が増減することに着目した方法で、新しいガン発見の検査方法として注目されています。
現在のがん検診では、レントゲンや超音波検査、腫瘍マーカーなどが使われています。例えば、乳がんはマンモグラフィー(乳房X線検査)、肺がんや胃がんはX線検査などと、それぞれのがんに対応する検査をする必要がありました。
体の負担も大きいし、それぞれのがんに対応する検査をしなければいけないし、そうなると費用もかかるし、大変ですね。
それが、たった1回採血するだけで13種類のがんが早期発見できるなんて、夢の様な話です。まだ実用化には時間がかかると思いますが、これによってがんの早期発見率が高くなると、がんで命を落とすことが将来なくなるんじゃないでしょうか。
採血で発見できるがんの種類
1回の採血で発見できるがんの種類は、以下のとおりです。
- 胃がん
- 食道がん
- 肺がん
- 肝臓がん
- 胆道がん
- 膵臓(すいぞう)がん
- 大腸がん
- 卵巣がん
- 前立腺がん
- 膀胱(ぼうこう)がん
- 乳がん
- 肉腫
- 神経膠腫(脳腫瘍の一種)
採血でのがん検診で、どんな良いことがあるのか?
では、1回の採血で13種類のがん検診ができるとなると、どんな良いことがあるんでしょうか?
ここからは、私の私見を述べたいと思います。
1.患者への負担がすごく減る
レントゲンや超音波検査など、それぞれのがんに対する検査が必要で、体への負担も大きいので、大変です。
乳がん検診のマンモグラフィも、かなり痛いと聞いています。でも1回の採血で済むなら、かなり楽になります。
2.がんの早期発見が容易になる
従来の腫瘍マーカーは、腫瘍がある程度、大きくならないと検出できないという問題があります。
初期のがんを見落としたり、良性腫瘍を悪性と判断したりすることもあるので、見つかった時は手遅れということもあります。
でも、採血による検査では、1回で13種類ものがんを早期発見できるので、治療を早くできます。このことで、がんによる死亡率がぐっと減ることになるでしょう。
また、検査費用がぐっと安くなるので、今まで費用の面で躊躇してがん検診を受けなかった人でも、わりと気軽に検診を受けることができるので、より多くの人のがんを早期発見できるというメリットもあります。
3.がん保険が安くなるかも
がんを早期発見でき、早く治療でき、がんの死亡率が減ると、がん保険が安くなる可能性があります。
来年度(2015年度)には、乳がん検診で実現
この採血によるがん検診ですが、遠い将来の話ではありません。
来年度には、乳がん検診で先行実施をめざすそうです。がんと分かっていない人が希望すれば受けられるようにする予定ということで、乳がんの早期発見に希望が持てます。
ほんとに希望が持てる話ですね。
将来は、がんの死亡率が大きく減少するかもしれません。