黄色靭帯骨化症の症状について。野球選手に多いのは何故?

黄色靭帯骨化症健康の話題

ヤクルトから戦力外通告を受けた徳山武陽投手(28)が現役を引退することが11月1日に分かりました。
日本シリーズで盛り上がっている最中なのですが、こうしてひっそりと引退する選手がいるというのは、なんとも寂しいものです。

徳山選手が引退に追い込まれた理由が「黄色靭帯骨化症」(おうしょくじんたいこっかしょう)という国指定の難病です。
2016年11月に手術を受けて、実戦登板できるまでに回復していたのですが、手術前の状態に戻すことができなかったようです。

さて、この難病「黄色靭帯骨化症」はどんな症状になるのでしょうか?
また、この病気は野球選手に多いと聞きます。それは本当なのか?本当だとしたら、なぜ野球選手に黄色靭帯骨化症が多いのか?
調べてみましたので、ご紹介します。

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黄色靭帯骨化症とは?

黄色靭帯骨化症とはその名の通り、黄色靭帯が骨になっていく病気です。
難病情報センターによると、

黄色靱帯骨化症とは脊髄(神経)の後ろにある黄色靱帯という靭帯が、骨になってだんだん大きくなってしまい神経を圧迫して、おもに足の麻痺を起こす病気です。足のしびれや、歩きにくさ、膀胱の働きが悪くなります。
引用:難病情報センター

とあります。

平成25年度の黄色靱帯骨化症の特定疾患医療受給者証の所持者数は3,088名でした。
原因が不明であることもあって、難病指定を受けているのでしょうか。(指定難病68)

黄色靭帯骨化症の症状について

黄色靭帯骨化症の症状は、主に以下の通りです。

  • 足のしびれ
  • 足の脱力やこわばり
  • 腰や背中の痛み
  • 足の痛み

などです。
数百メートル歩くと少し休むといった症状もあり、重症になると歩行困難になり、日常生活に支障をきたす場合があります。
男女差はなく、40歳以上の患者さんが多いようなのですが、ヤクルトの徳山選手はまだ28歳です。
もしかして、野球などのスポーツを激しく行なっている人は、発症リスクが高まるのでしょうか?

黄色靭帯骨化症の治療方法は?

この病気は原因が不明であるため、確実な治療方法はまだ確立されていません。
現在行われている治療方法は、消炎鎮痛剤を投与するとか、ブロック注射とかですね。

経過観察中に進行が見られる場合や、症状が重い場合は骨化巣を取り除く手術をします。
徳山選手は、このケースだったんでしょうか。
手術は神経の圧迫を取ることが目的で、黄色靭帯が骨化しないようにするという根本的な治療ではありません。

黄色靭帯骨化症になった野球選手は何人いる?

今回は徳山選手が黄色靭帯骨化症で引退するわけですが、他にこの病にかかった野球選手は何人いるのでしょうか?
調べて見た結果が、以下の通りです。

越智大輔(読売ジャイアンツ)
2012年開幕直後に発症が発覚
2012年6月手術
2013年リハビリの末実戦復帰

酒井勉(楽天イーグルスコーチ)
現役時代の1993年発症
リハビリを続けて一軍復帰を果たす目的もあり1993年球団側と3年の複数年契約を結ぶが・・・
一軍復帰果たせず、複数年契約の3年がたった1996年引退

宮本大輔(元オリックスバッファローズ)
2006年発症
2008年に1軍復帰
2009年引退

大隣憲司(ソフトバンクホークス)
2013年 開幕直後発症
2013年 手術、リハビリ
2014年 一軍復帰、勝利投手となる

星野仙一(元東北楽天 監督)
2014年発症
休養の末、同年現場復帰

もちろん、野球選手だけがこの病気になるわけではありません。
元プロレスラーの木村健吾さんも2014年にこの病を発症しています。

でも多いですね、野球選手が。
どうして、野球選手は黄色靭帯骨化症を発症しやすいのでしょうか?

野球選手に黄色靭帯骨化症が多い理由はあるの?

ここまで引っ張っておいて怒られそうなんですが、はっきり言って野球選手と黄色靭帯骨化症の因果関係はっきりしていません。

球場の整備に使っている塩化カルシウムが原因ではないか?という、めちゃくちゃな理論もあるようですが、この病気の原因が不明なうちは、確実なことを言えるわけがありませんし、何を言っても推測の域を出ません。

ただなぜか欧米人に比べて日本人の発症数が多いようです。
骨化する場所や大きさ、進行具合は人それぞれですが、スポーツ選手の場合は一般の人よりも患部にかかるストレスが強く、また体の反応に敏感なために症状が出やすいのかもしれません。

野球選手にかかわらず、誰でもなるかもしれない病気だということは頭に入れておいた方が良いと思います。