皮下脂肪と内臓脂肪について

内臓脂肪の基礎知識

肥満は、大きく分けて「皮下脂肪型肥満」と「内臓脂肪型肥満」があります。
特に中年になってから、「肥満」の悩みは男女問わずに大きくなってきます。
一口に肥満と言っても、上述した2種類の肥満があるのですが、重大な病気になりやすいのは、「内臓脂肪型肥満」です。

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皮下脂肪の特徴

皮下脂肪は、二の腕や太もも、お腹をつまんだ時に、皮膚の下にすぐ付いている脂肪です。
皮下脂肪は、どちらかといえば女性に付きやすい脂肪と言われています。
これは、女性ホルモンの一つ「エストロゲン」が関係します。
エストロゲンは、女性らしい体を作る役割を持っていますが、筋肉を使うことが少なくなると、皮下脂肪を作ってしまいます。
つまり、皮下脂肪は運動量が少ない時に、蓄積されやすい脂肪ということです。
内臓脂肪と比べて分解が遅く、なかなか減らすことができません。

皮下脂肪が多いからといって、病気のリスクは、内臓脂肪よりも低いです。
ただ、お腹に皮下脂肪が多くなると、やはり体型が気になります。
皮下脂肪を減らすためには、「食事制限」「運動(有酸素運動)」が必須になってきます。
その他、マッサージなども効果的です。エステでやっている「脂肪吸引」は、この皮下脂肪を取り除くためのもので、内臓脂肪には関係ありません。

怖いのは、やっぱり内臓脂肪

内臓脂肪は、文字通り内蔵の周り(特に小腸まわり)に付いた脂肪のことです。
お腹がぽっこりと出ていて、お腹をつまめれば皮下脂肪が多いのですが、内臓脂肪の場合は、お腹の皮膚も張ってくるので、つまみにくくなります。

男性の場合、内臓脂肪が多くなるのが特徴です。
内臓脂肪が増えると、様々な病気のリスクが高まります。
脂肪肝、動脈硬化、心筋梗塞など、怖い病気になる危険性が高まってきます。

日本人は、内臓脂肪型肥満になりやすい

農耕民族の倹約遺伝子が、内臓脂肪を蓄える

実は、日本人は「内臓脂肪型肥満」になりやすいのをご存知でしょうか。
体は痩せてるのに、お腹だけがぽっこりと出ているという体型は、日本人には非常に多いのです。
特に、中年になって運動不足になると、筋肉量が落ちてきて、胸や肩はほっそりしてしまいます。しかし、お腹だけがぽっこり。
こんな体型の日本人が多いのです。

狩猟などで獲物を捕って生活していた欧米人とは異なり、日本人は農耕民族として過ごしてきました。天候によって飢饉もあり、食料が少なくなるリスクを抱えてきました。
そうしたことから、少ないエネルギーを無駄なく使う「倹約遺伝子」を、欧米人に比べて2〜3倍持っているのです。

つまり、少ないエネルギーを内蔵に蓄えやすい遺伝子を持っているのです。
食料の少ない時代には、効率のよい遺伝子なんですが、現代のように飽食の時代になると、必要以上に脂肪を蓄えてしまい、結果「内臓脂肪型肥満」になってしまうのです。

お相撲さんは、皮下脂肪?内臓脂肪?

ちなみに、あれだけ太っている「力士」は、さぞかし脂肪が多いんじゃないかと思います。確かに、力士はりっぱなお腹をしていますが、意外と内臓脂肪が少ないのです。
力士は、すごい筋肉量と、すごい皮下脂肪が付いているのですが、内臓脂肪型ではないので、健康体なのです。

格闘技をしている人には、こうした傾向が強くなります。プロレスラーもそうですよね。
激しく体をぶつけ合う格闘技は、衝撃を吸収するために、皮下脂肪をあえて多くつける傾向にあります。

もちろん、皮下脂肪の下には強靭な筋肉があります。
毎日、激しい練習で筋肉量を増やしているので、基礎代謝が良く、筋肉が脂肪を燃焼してくれるので、内臓脂肪が付きにくいのです。

見た目、太っているからといって、内臓脂肪がたくさんあって、不健康というわけでもないのです。