体臭などが腐った魚の臭いがする疾患、「魚臭症候群」がテレビ番組で紹介されて話題になっています。
オヤジ臭や加齢臭なら分かりますが、腐った魚の臭いがするなんて、そんな症状ってあるんでしょうか?
魚臭症候群とは
そもそも、魚臭症候群とはトリメチルアミン尿症という疾患名で、摂取した食べ物を体内で分解した時に、トリメチルアミンが分解されずに、汗や尿、息の中に排出されてしまいます。
トリメチルアミンって何?
トリメチルアミンとは聞きなれない成分ですが、特定悪臭物質として規制対象になっているほどの臭気成分です。
トリメチルアミンは、誰もが体の中で生成されています。
食物中に含まれるコリン、レシチン、トリメチルアミンオキシドと呼ばれる成分が体内で分解されると、トリメチルアミンになるのです。
でも通常、トリメチルアミンは体内の酵素で分解されて臭いがなくなります。
しかし、この分解酵素がうまく働かなかったりすると、十分に分解されずに、魚の腐ったような強烈な臭いが身体から発せられてしまうのです。
魚臭症候群の症状について
魚臭症候群の症状は、今まで解説してきた通り、腐った魚のような臭いがするのが特徴です。
そのほか、便臭や生ゴミのような臭い、下水道のような臭いをする場合もあります。
根本的な治療方法がない?
自分の体からそんな臭いが発生したらと思うとゾッとしますが、根本的な治療方法がないのも怖いところです。
できることと言えば、コリンやレシチンを多く含む食べ物は食べないことでしょうか。
具体的には魚介類や卵黄、乳製品、豆類、肉類(レバーなど)などです。
世界的にも症例が少ない病気で、世界でも700人ほどしかいないと言われています。
魚臭症候群の原因
魚臭症候群は、トリメチルアミンが肝臓で分解されないことが原因です。
通常なら体内で分解されて無臭化しますが、それを行う酵素が先天的に欠如していたり、肝機能が低下することで、酵素自体の働きが悪くなることが、原因とされています。
つまり、肝臓の働きが重要であるということですね。
他にも、この病気が発症するのは女性に多いとされているので、女性ホルモンが関係しているとの説もあります。
魚臭症候群の怖いところは、臭い以外に症状がないということで、しかもその臭いは自分で気づかない場合があるのです。
人に言われてやっと、魚臭症候群だと気づくケースもあります。
一般的にあまり知られていない病気なので、周りの人から誤解を受けやすい病気とも言えます。