メタボリンクシンドロームを予防して、内臓脂肪を減らすためには、運動と食事の両面の生活習慣を改善するというのが常識ですよね。
ただ、毎日の生活で食事と運動をしっかり管理するのは難しいですよね。
なんとかして効率的に内臓脂肪を減らすことができないものか?
その答えが「褐色脂肪細胞」と呼ばれる細胞にあるかもしれません。
褐色脂肪細胞とは?
褐色脂肪細胞とは、その名の通り脂肪細胞の一つです。
でもこの脂肪細胞は特殊な役割を持っていて、体温を保つために熱を作り出し、エネルギーを消費するのです。
なんと、脂肪のくせに?筋肉と同じようにカロリーを消費するんですね。
実は脂肪細胞には大きく2つに区分されます。それが以下の2つ。
褐色脂肪細胞 エネルギーを活発に消費する役割。脂肪燃焼をしてくれる。
というものです。
まさに、筋肉と同じような働きを持つ脂肪細胞ということですね。脂肪のくせに(笑)
褐色脂肪細胞は誰でも持っているの?
さてここで疑問です。
自分の体の皮下脂肪や内臓脂肪が褐色脂肪細胞でできていたら、エネルギーを消費してくれるのだから、そもそも太ることはないですよね?
ということは、褐色脂肪細胞はある特定の人にしかないのでしょうか?
実は人の褐色脂肪細胞は新生児にしかないと思われてきたそうです。
それが最近、成人にも存在することが発見され、肥満治療に注目されるようになったとのこと。
首や肩甲骨、鎖骨、腎臓の周囲などに存在するというのです。
この研究を行っているのが、東大病院糖尿病・代謝内科の門脇孝教授と平池勇雄特任研究員らのグループです。
褐色脂肪細胞と筋肉のご先祖様は同じ?
脂肪を作り出す白色脂肪細胞は、前駆脂肪細胞というのが分化してできます。あくまで脂肪な訳ですね。
かたや褐色脂肪細胞は、筋肉の元になる筋芽(きんが)細胞が分化してできるというのです。
ということは、筋肉と褐色脂肪細胞のご先祖様は同じということですね。
なるほど、エネルギーを消費する働きを持つのも納得できます。
ただ、筋芽(きんが)細胞は通常、筋細胞に分化してしまうため、褐色脂肪細胞に誘導する因子がどこにあるのか?その探索が世界中で行われてきました。
将来、褐色脂肪細胞が、内臓脂肪やメタボの悩みを解消してくれるかも
今回、東大の門脇教授らのグループは、マウスのDNA解析から、NFIAという新たな誘導遺伝子を発見しました。
これを筋芽細胞に入れると、褐色脂肪細胞の遺伝子プログラムが活性化されたそうです。
この発見は国際的に大きな反響を呼び、10年以内をめどにNFIAの量を増やしたり活性化させる薬の開発に取り組みたいとしています。
もしこれが新しい薬として開発されたら、将来内臓脂肪やメタボの悩みがなくなるかもしれません。
ただそれはまだまだ先の話。
内臓脂肪を減らすなら、筋トレと有酸素運動で脂肪燃焼と代謝を上げ、食事制限で摂取カロリーを減らしていくという、地道な努力はどうしても必要だと思います。
その上で、脂肪燃焼を手助けしてくれるサプリメントや薬を摂取することで、より効率的に内臓脂肪を減らすことができます。