血糖値が高いほど、心不全のリスクが高まる

心不全健康の話題

国立循環器病研究センター(大阪府吹田市)がまとめた調査によると、血糖値が高い糖尿病患者ほど、心不全で入院する割合が高いということがわかりました。(2014年4月21日発表)

2000年1月から2007年12月までに糖尿病・代謝内科に紹介された608名の2型糖尿病患者を追跡調査し、入院が必要な心不全が発症した頻度を調査したところ、観察期間(平均5.2年間)に15%の患者が心不全で入院しましたが、事前の糖尿病管理が不良であるほど心不全入院が多い結果だったそうです。

国立循環器病研究センター(略称:国循)の岸本一郎糖尿病・代謝内科医長と小川久雄副院長らの研究グループは、心臓病に対する糖尿病管理の影響を研究するため、2000年1月から2007年12月までに糖尿病・代謝内科に紹介された608名の2型糖尿病患者を追跡調査し入院が必要な心不全が発症した頻度を調査しました。観察期間(平均5.2年間)に15%の患者が心不全で入院しましたが、事前の糖尿病管理が不良であるほど心不全入院が多い結果でした(表1)。また、もともと心臓病がある方は特に糖尿病管理不良の影響が大きい傾向がありました(表2)。糖尿病管理指標であるHbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)の値が8%を超えて悪くなると心不全入院も増えていたため(表3)、心不全予防においてもHbA1cが少なくとも8%を超えないように糖尿病を管理する必要性が示されています。

国立循環器病研究センターWebページより引用
http://www.ncvc.go.jp/pr/release/006460.html

日本の糖尿病人口は、約950万人とも言われていますので、ほんと、国民病にもなりかねないくらい、恐ろしい数字です。

内臓脂肪と高血糖

糖尿病になると、心筋梗塞や脳卒中のリスクも高まります。

糖尿病は、2型糖尿病と呼ばれるタイプが多く、遺伝的要因もありますが、生活習慣に起因するものが多いと思います。
特に、食べ過ぎ、飲み過ぎ、運動不足、喫煙といった生活習慣を続けていると、基礎代謝が落ちてくる中年以降は、内臓脂肪がたまり、様々な病気のリスクが増えてきます。

「糖尿病は自分には関係ない」と思っている人も多いかと思いますが、糖尿病一歩手前の「糖尿病予備群」は、1,100万人もいると言われています。健康診断で血糖値が高いと診断された場合は、食事療法、運動療法で改善されるケースも多いので、定期的に健康診断を受けるのが大切かと。

また、以下のような症状を感じた場合は、医師に相談したり、健診を受けるようにしましょう。

  • のどの渇き
  • 尿の量・回数が多い。
  • 体重が急激に減る。
  • 全身がだるく、疲れやすい。
  • 目がかすむ(視力障害)。
  • 尿に糖が出る。
  • 立ちくらみ
  • 手足のしびれ

糖尿病の初期症状は、自覚症状が無いのが特徴です。
上記の症状は、単に「疲れているだけ」で済まされるケースも多いですが、これらの症状が慢性的にある場合は、血糖値が上がっているか、血糖値を下げる働きのあるインスリンが不足していることも考えられます。

まずは生活習慣を改善する。これが大切です。